株式会社メルカリは「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」をミッションとして、 限りある資源を循環させ、より豊かな社会をつくるため、フリマアプリ「メルカリ」を提供しています。
全社員が業務改善に取り組める最適なプラットフォーム Workatoで、大幅な業務効率化を実現。
課題
- 절약된 시간
フリマアプリ「メルカリ」は、2013年7月のサービス開始以来、8年半で累計出品数が25億品となり、月間利用者数も2,000万人を突破という実績を上げています。Corporate Engineering Team (以下CET)のSystem Engineering Managerの清川氏は、過去ディー・エヌ・エー社 グローバル全体のITマネジメントとインフラ戦略担当という経験を経て、現在は株式会社メルカリにて、全社で利用するITシステムの立案・導入・開発・運用マネジメントなどを行っています。
CETでは、「意思決定の必要ないタスクからの解放を目指す(Aim to free yourself from tasks that don’t require decision making)」というチームのミッションのもと、社員が価値創出の業務にフォーカスできるよう、できる限りの定型業務や単純作業を自動化すべく、社内ITシステムの検討・再構築を行っています。この2〜3年に渡るIT再構築プロジェクトでは、主にレガシーシステムの置き換えを行っており、それに変わる様々なSaaS系アプリの採用を推進しています。しかし、それに伴い各アプリが単体で動くことによるデータのサイロ化が課題として浮上し、アプリ統合によるシームレスなデータ連携方法とそのデータの利活用方法を検討しなければいけない状況でした。さらには、年々増加傾向にある多様なアプリでの業務複雑化を防ぐために、Slack経由で業務が行える環境を構築することで業務の効率化・シンプル化を行う、という目的があったため、Slackとの親和性の高い自動化・統合プラットフォームが必要でした。
元々、別のエンドユーザー向け自動化ツールを社内で使用していたのですが、全社的な自動化を視野に入れた場合、セキュリティーやガバナンス問題、エラーが発生した際の適切な処理(例えばIF文を使用したエラー検知から条件分岐での高度処理の実行など)が難しいといった理由から、エンタープライズ向けのソリューションを模索していました。また、元々CETのメンバーは4人という最少人数で編成されていたため、メンバー間でのスキルやナレッジの共通化や、属人化しない開発環境というのも必要条件でした。
解決策
- Slackのみで業務が完結できる環境の構築
#1 – Slackのみで業務が完結できる環境の構築
多岐にわたる作業のシンプル化・効率化の実現のため、Slackと社内のSaaSアプリを連携することにより、各業務において別々のアプリケーションにアクセスして行っていた作業を、全てSlackのインターフェースから行うことができるようになりました。その他、社内では1週間に7000を超えるジョブを走らせ、定型業務の自動化や効率化を行っています。その中でも代表的なユースケースを、以下の2〜4でご紹介します。
#2 – Concurでの経費精算申請の承認タスクをSlackから実現
ConcurとSlackの連携により、Concur上で申請された経費精算をSlack上にて内容確認、そのまま承認・差し戻し処理の実行。その後、申請者に対して結果をSlack経由で通知。Slack上で交通費や出張費内容の詳細や領収書の表示まで可能にすることで、全ての承認処理を経費精算システムにアクセス・ログインすることなく行うことができるようになりました
#3 – 全ての社内ツールのアカウント発行・廃止を、従業員のステータスに合わせて自動化
Workday内の新入社員情報をServiceNowとOktaに自動連携することで、社員の入社、退職、部署異動などで発生する社内ツールのアカウントプロビジョニングの処理やデータ連携などを全て自動化。例として、社員の入社タイミングでOktaでのアカウント発行やServiceNowでの組織情報更新、Welcomeメールやマニュアルの送信などを自動的に実行。また、社員の勤務地情報を読み取り、現地のタイムゾーンに合わせた時刻でのアカウントアクティベート/ディアクトベートができる仕組みも構築。
#4 – 稟議発注から経理会計システムまでのデータ連携と、発注前の契約書管理の自動化 (現在構築中)
ServiceNow上で申請された契約書のレビュー・締結の自動化を、クラウドサインと接続することにより実現予定。また、稟議発注から経理会計システムまでのデータ連携が、Concur、NetSuiteなどと接続することで実現する予定です。
結果
- 社内アプリ連携により、データサイロ化の解消
当初、社内のコミュニケーションツールであるSlackとの連携を視野に入れていたため、Slackと親和性の高いWorkatoは最適なプラットフォームでした。また、Workatoを採用することで、社内データを取り扱うSaaS連携には必須であるセキュリティやガバナンス機能を確保することができ、さらには、優れたエラー処理機能を実装したロバスト性の高いシステム構築が可能となりました。WorkatoによりSlackとのアプリケーション連携が実現したため、バックオフィス業務をSlack上で完結させることができ、多種多様なSaaSを用いた業務のシンプル化・効率化につながっています。また、SaaS間連携による自動化で、定型業務に割かれていた時間を、価値を生み出す業務へとシフトすることができるようになりました。
さらには、少数精鋭のITチームとしてやっている中で、自動化ワークフローがノーコードで組めることと、ビジュアライズされていることでコモンセンスによるメンバー間でのスキルの共通化やナレッジの蓄積ができることは、メンテナンスコストの削減にも大きく役立っています。今後のビジネスの加速を念頭に踏まえて業務の自動効率化を進めていく上で、Workatoは非常に重要なプラットフォームの役割を担っています。
これまでは、アジャイルに各業務の最適化をはかってきました。ですが、現在それもある程度スケールし、システム連携のあり方や考え方を切り替えて、もっと俯瞰したアーキテクチャで全体最適を図っていくターニングポイントを迎えていると考えています。それを実現するために、Workatoでデータハブやデータコネクタの中心部のようなものを構築し、ポイントツーポイントになっている連携をスターハブ状にすることで、運用負荷を下げ、今後のビジネスグロースにフォーカスできるように組織としての全体最適をはかっていきたいと思っています。