アプリケーション間で自由にデータを移動できないと、ビジネスに不利益な結果が生じます。
従業員が必要なデータを検索するためだけにアプリケーションを切り替えたり、絶えずデータを入力し直したり、ビジネス上重要な作業を行うための貴重な時間を諦めたりしなければなりません。
これらの問題には、API (アプリケーション プログラミング インターフェース) 統合機能に投資することで正面から対応できます。ではそれがどのように役立つのでしょうか。その説明に入る前に、まずは用語の意味を確認するところから始めたいと思います。
業務自動化の次のフェーズとはなにか。(英語)
Download whitepaperAPI 統合機能とは
API 統合機能とは、簡単に言えば、ソフトウェア アプリケーションをそれぞれのアプリケーション プログラミング インターフェース (API*) を用いて接続する機能です。一旦接続すれば、それらのアプリケーション間でシームレスにデータの要求や共有を行えるようになるため、社内のあらゆるデータ サイロが実質的に解消されます。
たとえば、Salesforce を CRM、Marketo をマーケティング自動化プラットフォームとして使用しているとしましょう。API データ統合機能を使用すると、これらのシステムを接続して、重要な情報を相互に送信できるようになるわけです。これにより、Salesforce の見込み顧客の状況が営業担当者によって更新されたかどうかを確認できます。それらの編集結果は Marketo に即座に反映されるので、Marketo でのキャンペーン後に見込み顧客のリード スコアが変化したかどうかを確認できます。また、対応する Salesforce アカウントでその新しいスコアが自動的に使用できるようになるなど、さまざまな利点があります。
ただし、この API 統合機能の例は氷山の一角にすぎません。なぜならこの機能は、エコシステム内のあらゆるアプリケーションの組み合わせに適用できるからです。
API 統合機能の重要性
以上の定義を念頭に、ここでは API 統合機能がビジネスにプラスの効果をもたらす例を 3 つほどご紹介します。
従業員にとって時間の節約になる
必要なデータを検索するためにアプリケーションを切り替えずに済むようになれば、従業員は大幅に節約された時間を他のより重要な作業に割り振ることができるようになります。
たとえば、マーケティング担当者が特定のキャンペーンに向けてコンテンツ資産の作成にもっと時間をかけることや、営業担当者が重要な見込み顧客向けのプレゼン準備により集中できるようになること、さらには財務担当者がコンプライアンスやリスク管理の向上に向けた戦略の観念化を行ったり、人事担当者が従業員とより重要な話し合いの場を設けたりといったことも可能になるでしょう。
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人為的ミスを防ぐ
誰もがミスを免れることはできません。複数のアプリケーションを更新する作業を単独で行わなければならない場合、必ずミスを犯し、いずれは大きな問題につながるでしょう。
たとえば、Salesforce で作業している人が特定の見込み顧客に対して Marketo (信頼できる情報源) で示されている値よりも高いリード スコアを付けてしまった場合、営業担当者が誤解してその見込み顧客の商談成立の可能性を実際よりも高く見積もる恐れがあります。そうなると、営業担当者はその見込み顧客に押しが強い印象を与えてしまい、結局は見込み顧客に自社ブランドとの契約を思いとどまらせる結果を招きかねません。
API 統合機能を利用すれば、従業員が行う手作業が減るため、上記のようなインシデントが発生する可能性を低減できます。
従業員と顧客の体験を向上させる
繰り返し手作業を行う代わりに、頭脳を使った戦術的な作業にもっと時間をかけることができるようになれば、従業員が仕事を楽しめるようになり、その生産性も上がるはずです。その結果、顧客にもメリットがあります。Harvard Business Review 誌によると、従業員の満足度が上がれば、顧客の満足度も上がるような体験を提供できる可能性が高まります。
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アプリケーションを最大限に活用できるようになる
API 統合機能によってアプリケーションに新たなデータが取り込まれることで、ユーザーにもたらされる有用性は増すばかりです。以下にその例をほんの少しご紹介しましょう。
- CRM プラットフォームは、見込み顧客や既存顧客に関する 360 度のビューを備えているため、営業担当者や顧客対応の担当者が重要な顧客関係をよりインテリジェントに管理できます。
- 採用管理システムは、採用候補者に送られた内定通知書や個々の完了状況を取得できる機能を備えているため、採用担当者が対象候補を追跡して、必要に応じてフォローアップを行うのに役立ちます。
- ERP システムは、注文に関する正確な情報を表示する機能や、請求書を即座に発行する機能を備えているため、財務チームがベンダーを効果的に管理するのに役立ちます。
- マーケティング自動化ツールは、顧客の製品利用状況データにアクセスできる機能を備えているため、マーケティング担当者がアップセルやクロスセルのチャンスをうまく育てることができます。
自社が提供する製品を強化できる
一般的なアプリケーションの多くがエンドユーザーに価値を届けるために API 統合機能を利用しています。その証拠としてさまざまな事例を挙げることができます。
これには、各種サードパーティ サイトの API を利用して、閲覧者がフライトや宿泊先、レンタカーなどの最もお得なオファーを検索できるサービスを提供する Expedia のような旅行サイトから、いくつもの金融機関の API を利用して、ユーザーが各自の口座に送金できる機能を提供する Venmo のような決済サービスまで、あらゆる例が考えられます。
お使いの製品の API ユース ケースは上記の事例ほど顕著なものではないかもしれませんが、エンドユーザーの体験を向上させることができるチャンスがいくつか見つかる可能性があります。
API 統合機能を構築するには
API を使ってアプリケーションを統合することを決意したら、次の問題はどうやってそれに取り掛かるかです。以下のいくつかの選択肢から選ぶことができますが、それぞれに固有の長所と短所があります。
1. ネイティブの API 統合機能: 特定のアプリケーションの組み込みの統合機能を別のアプリケーションと組み合わせて使用する場合です。
長所
- サブスクリプションによって低コストで提供されていることが多い
- 通常、それらを提供する企業によってサポートされている
- 一般的なアプリケーションの多様なユース ケースに対応できる
短所
- 組織固有の統合要件にネイティブの統合機能では対応できないものがある可能性が高い
- 組織のエンジニアに相反する優先事項があるため、エンジニアがネイティブの API 統合機能の拡張や修正に時間と労力をかけることができないことがある
- 統合機能を構築したところで組織の主要なワークフローに劇的な変化は見られないため、本格的なデジタル変革を実現できない
2. インハウスの API 統合機能: 自社のチームがゼロから API 統合機能を構築する場合です。
長所
- 組織のニーズに合わせてカスタマイズできる
- 特定の API 統合機能の構築はそれほど複雑でない場合もある
短所
- 技術的な知識を有する従業員が各統合機能の開発と保守にかなりの時間をかける必要があるため、極めて高いコストがかかり得る
- 統合が必要なアプリケーションが数百種類にのぼる可能性があるため、拡張性に欠けるソリューションといえる
- 統合機能を構築したところで組織の主要なワークフローに劇的な変化は見られないため、本格的なデジタル変革を実現できない
3. 3rd-party API integration: When you use a middleware platform to implement the integration.
長所
- 複数のアプリケーションを素早く安全に統合するのに役立つ
- 通常、既存のコネクターへのサポートを提供しながら、随時新しいコネクターを追加していく
- ユーザーが統合機能を監視できる単一のダッシュボードにアクセスできる
短所
- 技術的なスキルが必要なため、チーム全体で統合機能を構築できない
- プラットフォームに慣れるのに時間がかかることや、大規模な統合機能を構築するのに時間がかかることがある
- 統合機能を構築したところで組織の主要なワークフローに劇的な変化は見られないため、本格的なデジタル変革を実現できない
上記の選択肢の共通事項としてお気付きのことと思いますが、これらの手段では社内の主要な運用プロセスを変革することはできません。ではどんな手段なら可能でしょうか。以降で説明します。
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